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2020年頃から流行した新型コロナウイルスの影響で対面でのイベントに制限がかかるようになりました。その中で会議用ツールであるZoomやGoogle Meetを使用した「オンラインイベント」がトレンド化し、身近なものになりました。社内会議から音楽イベントまで様々な場所で使用されました。オンラインイベントは簡単な環境があればどこでも主催・参加が可能というメリットがあり、主催者・参加者ともに負担が減ります。しかし一方で、オフラインに比べコミュニケーションや情報量の違いで悩んでいる方も多いのではないでしょうか?現在では再び対面でのイベントが注目され始めてきました。オンラインの利点と、オフラインの利点を両立できないでしょうか?
そこで今回は新たなイベントの可能性として注目され始めている「ハイブリットイベント」についてご紹介します。
【 目 次 】
ハイブリットとは「混合」を意味する単語です。ハイブリットイベントとは「会場に集まるリアルイベントと、配信で行うオンラインイベントを混合して行うイベント」のことを指します。ハイブリット型オンラインイベントとも呼ばれます。
従来のオンラインイベントでは、Zoom等などのネットワーク上でイベントのミーティングルームに参加し、登壇者が話している様子を参加者はただ傍観するのみという状況のイベントが一般的でした。一方でハイブリットイベントでは「登壇者と参加者」「参加者と参加者」がインタラクティブ的に関わることができるイベントを行うことができます。参加者の満足度が上がる傾向にあり、ハイブリット型の配信は主流になりつつあり、会議やセミナーといった小規模のイベントから、音楽イベントのような大規模のイベントでもどんどん導入されている手法です。
ハイブリットイベントでは必ずしもオンラインとリアルが5:5にしなければいけないという具体的な定義はありません。開催内容や需要に応じて様々な構成を考えることができることが強みの一つです。次の2つはその一例です。(各イベント会社で同じ定義とは限りません。)
イベント登壇者・運営スタッフのみが配信スタジオに集まり、中継という形で配信を行います。それを参加者はオンラインで視聴を行うという方法です。感染対策はしっかりとれる方法です。参加者のカメラ映像をスタジオに投影したりなどの工夫をしながらどこまで参加者の反応を登壇者や他の参加者へリターンすることができるのかが重要になります。
参加者はメインの配信スタジオや各中継拠点に集まり、複数場所から中継している状態でイベントを行うという形式です。人数制限にとらわれることはなく、各拠点でのコミュニケーションが取れるため、リアルでのイベントに近いような開催方法です。リアル開催がメインになるため、コスト面を気にする必要があります。
ハイブリットイベントはオンライン配信用の最低限必要な機材と場所を用意することができれば運営可能です。機材に関して詳しくは「オンラインイベント配信に必要な機材のご紹介」でご紹介しておりますのでこちらをご参照ください。ここではハイブリットイベントに関連する部分をご紹介します。
ハイブリットイベントはオンラインイベントとは違い、リアルでの会場を作る点が大きく違う点です。想定される参加数やイベントの内容によって入念な段取りを立てる必要があります。しかし、小規模のイベントの場合では広い会場を借りる必要はなく、自社の一室を会場として使用することも可能です。また、参加者が配信会場にいるイベントでは登壇者からの情報がリアルとオンラインで同程度になるように注意が必要です。
配信にスマートフォンを使用することはお勧めいたしません。
〇 カメラ機能は優秀ですが、配信の処理速度に大きな差がある
〇 Wi-Fi環境での配信になるため、通信速度に不安が残る
といった点が挙げられます。パソコンを使用しネットワーク回線が安定している有線接続での配信をお勧めいたします。合わせて可能であれば、配信用のパソコンと画面共有・映像配信は別のものにすると遅延や、画面のかくつき・ちらつきを抑えることができます。
映像は極力ビデオカメラ等の撮影機材を用いることが良いですが、ノートパソコンの場合は備え付きの内部カメラからでも配信可能です。また、大人数で参加する場合は、接続サーバー等の管理が必要になる可能性もあります。
ZoomやGoogle Meet等のオンライン会議ツールを使用し配信を行うことが一番簡単な方法です。ブレイクアウトルーム等の機能を有効活用し、リアル・オンライン共にコミュニケーションがとれる環境つくりをしましょう。オンライン参加の孤独感を出さないため、話し合いでは極力それぞれの参加方法に分けつつ、適度に全員でのコミュニケーションの場を作ることをお勧めします。
必要最低限用意しておけば、配信可能なものをご紹介しました。
ここから質の高いイベントにするためにはさらに気を使わなければならない点があります。あったほうがいいものについて次でご紹介します。
大きなイベントでは様々な視点からの映像が流れることはご存じだと思います。より臨場感の高いイベントにするためには複数台のカメラを使用し、会場全体や登壇者をピックアップした画角などが必要です。複数台のカメラを切り替えるためにビデオスイッチャーや中継アダプターも併せて必要になります。
より音質の良いマイクが必要になることはもちろんのこと、一定の人数の参加者が配信会場にいる場合にはスピーカー用と配信用の二か所で音声を出力する必要があります。カメラと同様に、これらを操作するためにオーディオミキサーを使用しなければなりません。
イベントの規模が大きくなるにつれ照明機材は必要不可欠になります。専用のスタジオであれば、備えついている場合もありますが、そうではなかった場合専用のセットを組む必要があります。
〇 登壇者・参加者用のスポットライト
〇 会場全体の調光
〇 ステージ上の照明
などといったものが必要になります。照明が一番コストのかかるイベントも多いかもしれません。
これらすべてランディングコストとして機材費や、機材を適切に扱うための人材育成または派遣した場合の人件費等がかかってしまいます。そのためお困りの際はイベント運営会社にご相談することをお勧めします。照明なども併せてプラン建てしている会社も多く、高頻度でイベントを行わない場合は、自社で用意するよりもコストを格段に落とすことが可能です。
ここで、実際にそれぞれのイベントを開催した観点から、メリット・デメリットをご紹介します。それぞれに開催する理由はありつつも、リアルイベントやオンラインイベント同様にハイブリットイベントにもいまだデメリットが存在します。
イベントの種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
リアルイベント |
メリット ・実物がそこにあるという情報量の多さから、理解度や没入感がとても高い・参加者同士の偶発的なコミュニケーションを生み出すことができ、つながりを増やすことができる |
デメリット ・コロナ禍では密集して集まることは不可能であり、参加席に上限がある・イベント終了後のストリーミング配信が困難もしくはコストがかかる ・参加者は距離や環境によって参加できない可能性がある |
オンラインイベント |
メリット ・カメラに映る範囲のスタジオ準備のため準備・運営などの会場費や、人件費の削減が可能・場所にとらわれず、大人数でのイベントが可能 ・入退場が自由である |
デメリット ・ネットワーク環境と機材スペックに依存してしまう(全員が推奨スペックを用意はできない)・情報量の少なさやコミュニケーション不足から孤独感を感じる場合がある ・運営は参加者のリアルタイムな状況を把握しにくい |
ハイブリットイベント |
メリット ・参加方法の選択肢を与えることができる・リアル会場での参加人数の調整を行える ・万が一リアルイベント部分難しくなった場合、オンラインイベントへの切り替えが容易である ・イベント内容にリアルとオンラインの良いところを組み合わせることができる |
デメリット ・リアル・オンラインを両方にコストがかかる(人件費・機材など)・リアル会場参加者とオンライン参加者で格差が生まれる可能性がある(情報量の違いでオンライン参加者が傍観してしまうケースがあるため注意が必要) |
「ライブビューイング」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか?現在のハイブリットイベントと呼ばれるよりもずっと前からリアルイベントと、オンラインイベントの混合は存在していました。
主に音楽イベントや舞台、スポーツ中継などで使用されていたこのコンテンツは、公演の様子を会場の撮影機材から各映画館に中継配信されていたというものです。これだけではオンライン配信と変わりませんが、各映画館の様子をメインイベント会場に反映させたりなどといった取り組みもなされていたようです。遠くの開催地の公演を見ることができるほか、チケットの枚数も一公演あたりで増やすことが可能でした。なんといっても映画館の大画面と音響で臨場感を味わうことができます。
つまり、ハイブリットイベントの概念は、昔から有効的であると考えられ、需要は確かであることがわかります。これをより一般化したものが現在のハイブリットイベントなのではないでしょうか?
例年はリアルで行っていた成人式も、成人者全員が会場に集まることはできなくなりました。
そのため、メイン会場と17か所の中学校にご協力をいただき、中継で式典の様子をオンラインライブで配信を行いました。オンライン中継での強みを生かし、オーケストラのウェルカム演奏も、メイン会場では機材を出し入れする必要があるところを、場所や準備時間を気にせずに演奏できるため、待ち時間を極力抑えることが可能になっています。
また、YouTubeライブを使用しているため、自宅からでも参加が可能な点と、画面上では手話での言葉の伝達を一つの画面で行うことができます。
弊社ではそのほかにも、「ファンミーティング」をはじめとしたイベントもハイブリットで行っています。会場の照明設備や、カメラ3台をスイッチングし、臨場感のあるライブにしているほか、配信プラットフォーム「Vimeo」を使用し、チャット機能などでオンライン参加者同士の意見交換などを可能にしています。チケット販売も弊社で請け負っているため、安心してパフォーマンスに集中することができます。
ほかにも、表彰贈呈式などの形式的なイベントでもハイブリットイベントは使うことができます。場合によって配信プラットフォームを変更でき、カメラの台数やリアルとオンラインの比率を変更したりなど、柔軟な対応が可能です。
アフターコロナでも完全にオンラインイベントの要素がなくなる可能性は低いといわれています。なぜならオンラインには様々なメリットがあり、けしてリアルの代わりというだけではないからです。オンラインとオフラインの強みを分かっている現在だからこそ、状況に合わせて使い分け、時にはハイブリットイベントとして開催できるのではないでしょうか。
また、オンラインでの開催はZoom等のビデオ通話ツールだけではありません。Clusterのようにバーチャル空間を使用して、動き見て回ることができるサービスも存在しています。
これらの方法をよりよく使えることが今後のイベントの集客や、来場者の満足度にもつながることは確かなことです。
いかがだったでしょうか?ここまでハイブリットイベントについてご紹介させていただきました。
まとめると
〇 ハイブリットイベントはオフラインとオンラインを混合させたイベント
〇 混合の割合は5:5のみではなく状況に合わせて変更できる
〇 参加者に参加方法の選択肢が付与される
〇 機材はオンラインと同じもので配信できるが、レベルを上げる場合はイベント会社に頼むのが良い
〇 ハイブリットイベントは当たり前のものになっていく
という形になります。クリエイティブファクトリー株式会社はオフラインイベント・オンラインイベント両方のノウハウと実績を持っています。ご要望に応じサポートをワンストップで行いますので複数の業者に連絡する必要やコストも極力抑えることが可能です!社内行事から、音楽イベントまで企画・運営・制作・運営でお困りの方はぜひご相談ください。
WRITER PROFILE
越澤 勝好Katsuyoshi Koshizawa
クリエイティブ・ファクトリー株式会社 代表取締役社長。
大手旅行代理店やイベント会社を経験し、イベントによって繋がる人との絆や達成感に魅力を感じ独立。常識に捉われない新しい発想と技術を駆使し、期待を超えるイベントを創造するため日々研鑽中。
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